【法務NAVIまとめ】新しいタイプの商標を出願するにあたって
2016/01/05 知財・ライセンス, 商標関連, 商標法, その他
新しいタイプの商標とは
2015年4月1日から、商標法の改正により、これまで商標として登録し保護することができなかった商標についても登録が可能となっており多くの出願がなされている。
参考:新商標登録の第一歩 ~あの絵この音そんな色~
新しいタイプの商標は5種類である。
①動き商標 文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標
②ホログラム商標 文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する商標
③色彩のみからなる商標 単色又は複数の色彩の組合せのみからなる商標
④音商標 音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標
⑤位置商標 文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標
参考:新しいタイプの商標の保護制度について
(出典:特許庁)
出願するには
出願のためには願書が必要となるが、従来のタイプの商標の願書とは異なる対応が必要となる。
具体的には、出願する商標のタイプに合わせ、願書の【商標登録を受けようとする商標】の欄の次に、【動き商標】、【ホログラム商標】、【色彩のみからなる商標】、【音商標】又は【位置商標】と記載する。その後、商標登録を受けようとする商標を特定するように、願書に【商標の詳細な説明】の欄を設け、記載する。
参考:出願の際の注意事項及び様式
記載の際はそれぞれ以下のような注意が必要だ。
①動き商標の場合
動き商標を構成する標章の説明と、時間経過に伴う標章の変化について、具体的かつ明確な説明をする。標章自体は変化せず、位置が移動するような場合は1つの図で、標章そのものが変化するような場合は複数の図で記載する。
②ホログラム商標の場合
一又は異なる二以上の図又は写真によって、ホログラフィーその他の方法による変化の前後の状態が特定されるように記載する。
③色彩のみからなる商標の場合
商標登録を受けようとする色彩が全体にわたり表示された図又は写真によって記載する方法、商標登録を受けようとする色彩を当該色彩のみで描き、その他の部分を破線で描く等により、当該色彩及びそれを付する位置が特定されるように図又は写真に記載する方法の2通りがある。
④音商標の場合
【商標登録を受けようとする商標】の欄に、文字や五線譜等により記載する。その下に【音商標】である旨を記載する(【商標の詳細な説明】の欄は任意)。最後に、【提出物件の目録】の欄を設け、【物件名】に「商標法第5条第4項の物件」と記載し、その音をMP3形式で記録したCD-RまたはDVD-Rを添付する。
⑤位置商標の場合
「位置商標」の商標記載欄への記載は、一又は異なる二以上の図又は写真によって、商標登録を受けようとする商標に係る標章を実線で描き、その他の部分を破線で描く等により、標章及びそれを付する位置が特定されるように記載する。
参考:新しいタイプの商標の保護制度に関するQ&A
(出典:特許庁)
また、出願に足るものか、識別性・類比判断から検討することが有益だろう。
参考:出願の検討をされる場合はどういう点を注意した方がよいでしょうか?
(出典:正林国際特許商標事務所)
審査基準について
もっとも、大量の出願があったにもかかわらず登録されるに至ったものは多くはない。2015年10月27日に公表された登録査定の内訳では、音21、動き16、位置5、ホログラム1、色彩0の合計43件が登録されたにとどまっている。
参考:新しいタイプの商標について初めての審査結果を公表します
(出典:経済産業省)
出願に対して登録が認められる確率をみてみると、5種の中では、動き商標の登録率が高く、色彩商標の登録率が非常に低い結果となっているため、出願にあたっては注意が必要である。
参考:早くも手のひら返し?〜混迷深める「新しいタイプの商標」
(出典:BLOGOS)
【新しいタイプの商標】まとめ
(出典:アポロ商標特許事務所)
現在経産省から登録が認められた商標について公表がされているので、どのようなものが認められているのか確認してみるのが良いだろう。出願が始まった当初は審査基準が分からないため大まかな記述で出願をする企業が多かったと思われるが、結果が蓄積している現在においては登録がなされた例を参考にするのが良いと思われる。
参考:登録を認める旨の判断をした新しいタイプの商標の一覧
(出典:経済産業省)
新着情報
- 弁護士
- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 解説動画
- 加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間
- まとめ
- 独占禁止法で禁止される「不当な取引制限」 まとめ2024.5.8
- 企業同士が連絡を取り合い、本来それぞれの企業が決めるべき商品の価格や生産量を共同で取り決める行...
- 解説動画
- 江嵜 宗利弁護士
- 【無料】新たなステージに入ったNFTビジネス ~Web3.0の最新動向と法的論点の解説~
- 終了
- 視聴時間1時間15分
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード
- ニュース
- 顧客データの他社移行拒否で三菱商事子会社に排除措置命令2025.1.8
- NEW
- 建設作業員らの個人情報を管理するクラウドサービスの利用企業が他社に乗り換えるのを妨害したとして...
- 業務効率化
- Mercator® by Citco公式資料ダウンロード
- セミナー
- 茂木 翔 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/第一東京弁護士会所属)
- 【オンライン】2024年Web3重要法令改正等の確認
- 終了
- 2024/12/06
- 12:00~13:00
- 弁護士
- 平田 堅大弁護士
- 弁護士法人かなめ 福岡事務所
- 〒812-0027
福岡県福岡市博多区下川端町10−5 博多麹屋番ビル 401号