【法務NAVIまとめ】株主代表訴訟について
2016/06/08 商事法務, 会社法, その他
最近では、家電メーカー大手の東芝株式会社の元経営陣に対して同社の株主が株主代表訴訟を提起したことが大きなニュースとなりました。
また、近年は企業の各株主に企業のステークホールダーとしての意識が高まったことで株主代表訴訟は増加傾向にあります。
そこで、今回は株主代表訴訟についてまとめました。
近年、株主代表訴訟は増加傾向!
株主代表訴訟増加傾向
(出典/東京海上⽇動リスクコンサルティング株式会社)
株主代表訴訟とは?
株主代表訴訟の定義と目的
(出典/弁護士費用保険の教科書)
株主代表訴訟に必要な手続きは?
株主代表訴訟に必要な手続き
(出典/弁護士法人朝日中央綜合法律事務所)
株主代表訴訟の近時の著名10事例
- アパマンマンション事件 アパマンマンション事件は、事業再編の過程で必要になったとされる子会社株式の買取価格が相当であったか否かという積極的な経営戦略の場面での取締役の経営判断を問題とする事例です。また、民事事件において経営判断の原則に係る審査基準を明示した最初の最高裁判決である点に実務上意義があります。
- ヤクルト事件 ヤクルト事件は、資金運用業務の担当取締役の指示のもと、投機性の高いデリバティブ取引を行い、会社に約533億2046万円の損失を被らせたことについて、同社の株主が、担当取締役らに対し損害賠償を求めた事例です。
- 大和銀行事件 大和銀行事件は、支店の従業員が11年間不正な取引及び証券保管業務を行い、銀行に約11億ドルの損害を与えたものの米国当局に隠蔽したなどとして米国に於いて刑事訴追され、罰金3億4000万ドルを支払うと共に、米国からの撤退を余儀なくされました。そこで、銀行の株主が取締役らに対し損害賠償を請求した事案です。
- 神戸製鋼事件 神戸製鋼事件は、会社が、株主総会を仕切ってもらうことの謝礼として、複数の総会屋に対し合計1億9400万円の利益供与を行ったことについて、株主が取締役社長らに対し損害賠償を請求した事案です。
- ダスキン事件 ダスキン事件は、同社の経営者の一人が食品衛生法上日本国内では使用が認可されていない添加物の入った肉まんを販売し、売上減少などの損害が生じたため、加盟店に補償等多額の支出をしたので、これに対し株主が会社の元取締役らに対し損害賠償を求めた事案です。
- 雪印事件 雪印事件は、平成13年に国内で牛海綿状脳症(狂牛病、BSE)に感染した国産牛が発見されたことから、農林水産省が、「牛肉在庫緊急保管対策事業」を導入したものの、現場従業員が国産牛に輸入牛肉を混入させて買上させていたことが発覚し、会社は対外的信用を失い解散しました。そこで、株主が当時の取締役らに対し、3年分の売上分等の損害を被ったとして300億500万円の支払を求め、株主代表訴訟を提起した事案です。
- 蛇の目ミシン事件 蛇の目ミシン事件は、同社の経営陣が仕手集団「光進」の元代表・小谷光浩の恐喝に屈し、蛇の目ミシン工業に六二〇億円の損害を与えたとして提訴していた事案です。
- 住友電工事件 住友電工事件は、光ケーブルのカルテル事件とワイヤーハーネスのカルテル事件について、リニエンシー制度(他社に先んじてカルテルを当局に内部告発し、課徴金などの制裁の減免を受ける制度)を利用しなかったことで会社が被った損害を役員に賠償請求した事案です。
- オリンパス事件 オリンパス事件は、損失隠し問題をめぐって、同社個人株主の弁護団が、マイケル・ウッドフォード元社長を解任した当時の取締役ら14人に対し、13億4413万円もの巨額を支払うことを求める株主代表訴訟を提起した事案です。
- みずほ事件 みずほ事件は、みずほ銀行が暴力団関係者らへの融資を放置していた問題で、みずほフィナンシャルグループ(FG)の個人株主が29日までに、同行頭取も兼ねる佐藤康博社長ら歴代のみずほFG役員14人に対し、計約16億7千万円の損害賠償を求める株主代表訴訟提起した事案です。
アパマンショップ事件
(出典/弁護士費用保険の教科書)
ヤクルト事件
(出典/役員責任総合サイト)
大和銀行事件
(出典/役員責任総合サイト)
(出典/役員責任総合サイト)
(出典/役員責任総合サイト)
(出典/役員責任総合サイト)
(出典/新日本法規出版株式会社)
(出典/朝日新聞ジャーナル、法と経済のジャーナル)
(出典/朝日新聞ジャーナル、法と経済のジャーナル)
(出典/コンプライアンス違反事例と対策)
役員側の今後の対策は?
(出典/東京海上⽇動リスクコンサルティング株式会社)
(出典/ロア・ユナイテッド法律事務所)
株主代表訴訟に対する会社の対応体制の確立
(出典/株式会社インターリスク総合研究所)
(出典/月刊総務オンライン)
各企業では、所有している株主と経営を委ねられている経営陣との役割が明確に分離しています。
そうすると、通常株主は経営に関与する場面は少ないといえます。
これに対して,株主代表訴訟は株主が経営陣の経営姿勢に対してNOをつきつける貴重な機会の1つといえます。
他方、責任を追及される役員としては賠償保険への加入等将来のリスクに対応することが必要となります。
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