特定電子メール法違反に関する事件
2011/01/21 消費者取引関連法務, 特定電子メール法, その他
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(以下「法」)は、送信者は、法第2条第2号に規定する特定電子メールの送信をするよう求める旨又は送信をすることに同意する旨を、送信者又は送信委託者に対し通知した者以外の者に対しては、原則として、特定電子メールの送信をしてはならないことを法第3条第1項において規定している(特定電子メールの送信の制限)。
さらに、法は、送信者は、特定電子メールの送信に当たって、送信者の氏名又は名称等一定の事項がメール本文に正しく表示されるようにしなければならないことを法第4条により規定している(表示義務)。
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
二 特定電子メール 電子メールの送信(国内にある電気通信設備(電気通信事業法第二条第二号に規定する電気通信設備をいう。以下同じ。)からの送信又は国内にある電気通信設備への送信に限る。以下同じ。)をする者(営利を目的とする団体及び営業を営む場合における個人に限る。以下「送信者」という。)が自己又は他人の営業につき広告又は宣伝を行うための手段として送信をする電子メールをいう。
(特定電子メールの送信の制限)
第三条 送信者は、次に掲げる者以外の者に対し、特定電子メールの送信をしてはならない。
一 あらかじめ、特定電子メールの送信をするように求める旨又は送信をすることに同意する旨を送信者又は送信委託者(電子メールの送信を委託した者(営利を目的とする団体及び営業を営む場合における個人に限る。)をいう。以下同じ。)に対し通知した者
二 前号に掲げるもののほか、総務省令・内閣府令で定めるところにより自己の電子メールアドレスを送信者又は送信委託者に対し通知した者
三 前二号に掲げるもののほか、当該特定電子メールを手段とする広告又は宣伝に係る営業を営む者と取引関係にある者
四 前三号に掲げるもののほか、総務省令・内閣府令で定めるところにより自己の電子メールアドレスを公表している団体又は個人(個人にあっては、営業を営む者に限る。)
(表示義務)
第四条 送信者は、特定電子メールの送信に当たっては、総務省令・内閣府令で定めるところにより、その受信をする者が使用する通信端末機器の映像面に次に掲げる事項(前条第三項ただし書の総務省令・内閣府令で定める場合においては、第二号に掲げる事項を除く。)が正しく表示されるようにしなければならない。
一 当該送信者(当該電子メールの送信につき送信委託者がいる場合は、当該送信者又は当該送信委託者のうち当該送信に責任を有する者)の氏名又は名称
二 前条第三項本文の通知を受けるための電子メールアドレス又は電気通信設備を識別するための文字、番号、記号その他の符号であって総務省令・内閣府令で定めるもの
三 その他総務省令・内閣府令で定める事項
事実
株式会社エースは、少なくとも平成 22 年9月 11 日から平成 23 年1月 10 日までの間、自己及び他者の運営するウェブサイトの広告又は宣伝を行う電子メールを送信するに当たり、受信者の同意を得ておらず、法第3条第1項の規定に違反する行為を行っていた事実が認められた。
さらに、広告又は宣伝を行う電子メールにおいて、少なくとも平成 22 年9月 11 日から平成 23 年1月 10 日までの間、送信者の氏名又は名称を正しく表示しておらず、法第4条の規定に違反する行為を行っていた事実が認められた。
措置命令
そこで、総務省及び消費者庁は、株式会社エースに対し、法第7条の規定に基づき電子メールの送信の方法について法第3条第1項及び第4条の規定の遵守を命じる措置命令を行った。
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