下請法違反の勧告額が過去最多に
2013/01/10 コンプライアンス, 下請法, その他
事案の概要
下請け業者に支払う代金を不当に減らすなど、下請法に違反する行為があったとして公正取引委員会が去年(2012年)勧告を行った件数は、2011年より5件多い21件となり、下請法に基づき発注元に返還を求めた金額は48億6800万円に上った。
勧告額増加の背景には、下請け業者に対する書面調査などを通じ、公取委が違反行為の発見に勤めていることがある。勧告に至らないまでも、発注書面不備などで発注元を指導した件数も少なくない。
公取委によると、勧告を受けた行為の大半(21件中15件)は、小売業者がプライベートブランドの商品の製造を下請け業者に委託し、支払い代金につき不当に減額を行ったケースである。商品仕様などを指定して発注するプライベートブランド商品の製造委託は下請法の対象になるが、「メーカーからナショナルブランド商品を仕入れるのと同じ感覚で値引きなどを求める業者が目立つ」(公取委の指摘)ようだ。
コメント
不況の影響で下請け業者へ不当な要求(下請け代金の不当減額)を行う業者はあとを絶たない。そのような状況をなくすためにも、公取委による監視は引き続き重要となる。
また、下請法に対する知識・意識が十分でないために、業務の中で無意識のうちに下請法違反を犯している企業も少なくないと思う。下請法遵守についての意識を高める取り組みも必要であろう。
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