中国、人材派遣規定厳格化
2013/07/02 海外法務, 海外進出, 外国法, その他
事案の概要
中国では派遣社員に関する事項を定める「改正労働契約法」が施行された。
同法は、派遣労働者を補充的な形式と位置づけ、その対象を「臨時性、代替性の職場」と明示している。
また、派遣労働者の割合を雇用者総数の一定比率以下と定め、派遣労働者と正社員について同一労働同一賃金を求めている。
さらに、罰則についても従来通り、派遣会社に課されるのみならず、悪質な場合には派遣先企業についても課されることとなった。
コメント
中国に進出している日本企業は多い。日本企業が中国に進出している理由は中国が最大の市場であることであるが、製造業等にとっては人件費を低く抑えることにある。
しかし、派遣労働者の賃金水準が正社員並みに引き上げられ、かつ派遣労働者の雇用者総数に占める比率が一定限度に限定されれば、直接雇用への切り替えの必要性が生じ、人件費圧縮に繋がりにくくなる。
そもそも、派遣労働者の比率は「一定の比率以下」と定められているに過ぎず、基準も曖昧で日本企業としてもどこまでが許されるのかの判断が難しい。
それに加えて、日本企業は日中間の政治情勢により生じるチャイナリスクといった不安定要素を抱えている。
このような点から考えると、人件費の面からの恩恵を受けにくくなった日本企業は、中国依存を脱却し、ミャンマーやベトナムといった他のアジア諸国への生産拠点の移転を考える必要性が高まったといえる。
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