安倍首相、法人税率引下げの検討を指示!
2013/08/13 税務法務, 租税法, 税法, その他
事案の概要
安倍首相は、関係府省に法人実効税率の検討を指示した。「法人実効税率」とは、企業の実際の負担率のことをいい、これを引き下げることで企業活動を活発化し、海外投資を引き付ける効果が期待できるとされている。
政府は来年4月に8%に引き上げることが予定されている消費税増税の影響について、閣僚や経済財政諮問会議のメンバーらが有識者約50人に意見を聞く「集中点検会合」を設置。9月下旬から10月上旬に、消費増税に踏み切るかどうかの最終判断が下されることとなる。有識者には「デフレ脱却に支障を来す」との意見があり、その行く末が注目される。
消費増税に伴う景気回復の歯止めとすべく、今回、法人実効税率の引下げが提唱されるに至った。自民党税制調査会などで方向性が固まれば、来年の通常国会に関連法案が提出される予定である。
コメント
上記のような、消費増税の代わりに法人税率を引き下げるような手法は、「家計を犠牲にし、企業を優遇している」ようにも映る。
この点、消費税導入までは家計と企業の負担はほとんど同じであったが、消費税導入以降(1989年以降)、家計の負担が企業よりも20兆円前後大きくなっているとの分析もされている。
家計の負担が企業よりも重いという状況は、国内消費の冷え込みや企業が輸出に依存する体質を導くこととなる。かかる状況を脱出するため、法人税の引き上げを提唱する考え方もある。
2012年度の実効税率は国税分と地方税分を合わせて35.64%であるところ、首相は段階的に、25~30%に下げることを視野に入れているという。
しかし、1%の実効税率引き下げは、国と地方で3000億~4000億円もの減収となる。法人税率引下げは、慎重に検討されるべきであろう。
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