公正取引委員会の立ち入り検査が入ったら
2015/01/13 独禁法対応, 独占禁止法, その他
昨年12月、公正取引委員会が独占禁止法に基づく立ち入り検査の指針を策定するとの報道があった。
報道内容はこちら(公取委、検査の指針策定へ有識者委が報告書)
調査を受ける側の権利を明確化させるという観点から、立ち入り検査への弁護士の同席や、立ち入りの際に公取委が持ち出す資料のコピーを認めることなどを指針に盛り込む。
公取委は検査の際の弁護士の立会いについて「実務上許容している」とし、さらに、提出資料のコピーについても「円滑な遂行が妨げられない範囲」で応じているとのことであるが、指針に盛り込むことによって、企業側の防御権を明確にする方向だ。
報道でも度々、耳にするこの立ち入り検査。立ち入り検査は事前の連絡なしに行われるため、企業としては検査が入った場合に慌てることのないよう、事前に対応策を考えておく必要がある。
公取委が行う立ち入り検査とは
公取委は、独禁法違反の疑いがある場合には、関係事業者の事業所などに立ち入り、関係書類や関係者の供述などの証拠を収集する調査権限を与えられている。また立入検査は関係者の事業所だけでなく、役員や従業員の自宅も対象となる。
公取委の調査が入ったら
検査妨害はご法度
検査の妨害を行わないことが大前提となる。立入検査を拒み、妨げ、忌避した者は、検査妨害罪として、1年以下の懲役又は300万円以下の罰金となる。
審査官の身分証、氏名などの確認
審査官の身分証を確認。審査官の氏名、役職、所属及び連絡先を記録する。(後日コンタクトをとる場合にスムーズになる)
また検査が入った場合の担当責任者(不在の場合の代替者)、審査官に対応する担当者も予め決めておく。
告知書の確認
立入検査が入った場合には、事件名 、被疑事実の要旨、関係法条 を記載した「告知書」が交付される。立ち入り検査の範囲を明確に把握するために、告知書の内容を確認する必要がある。
これによって、被疑事実と関連性のある物件に留置の対象を限定する交渉が可能となる。 また留置調書の目録の写しの交付を求める。無限定な留置には異議申し立てを検討するなどする。
大量の書類が留置され、業務上支障を来たすおそれがある場合には、コピーをとることを要求する。
弁護士、法務担当者への連絡
顧問弁護士や法務担当者に連絡をとり、検査への立ち会いを要求する。 また、従業員が適宜、弁護士や法務担当者に相談できるように要望する。
広報担当者への連絡
広報担当者に調査の概要を報告する。検査に関するマスコミ対応は、全て広報担当者を通すようにする。
調査概要の整理
従業員の供述内容の記録、 審査官の発言内容の記録、提出した資料のリスト作成など今後の会社の方針を決めるために、調査概要を整理する。
普段からいざという時に備えて、上記のような対応策を考え、全社的に周知しておく必要がある。
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