消費者庁、景表法に基づき措置命令
2011/07/27 広告法務, 景品表示法, メーカー
措置命令の概要
平成23年7月26日、消費者庁は、紳士服等販売する事業者5社に対し、景品表示法第6条の規定(同法第4条第1項第2号(有利誤認))に基づき、措置命令を行った。対象商品は、5社がそれぞれ経営する紳士服等販売店を通じて一般消費者に供給する衣料品等で、違反事実の概要は以下のとおりである。
①テレビコマーシャルの表示は、「スーツ、コート、ジャケット、全品半額」との音声を放送したが、実際は、メンズスーツ、メンズコート及びメンズジャケットのうち表示価格が一定金額以上等の商品のみ、表示価格の半額で販売するものであった。なお、対象商品の適用条件が表示されてはいたが、表示時間が短く、明瞭に表示されていたとはいえないものであった。
②新聞折り込みチラシにおいて、「開店1周年全品半額」と記載したが、実際は、メンズスーツ、メンズジャケット、メンズスラックス及びメンズカジュアルパンツのうち表示価格が一定金額以上等の商品のうち1点のみ、当該チラシに印刷された割引券を持参した場合に限り、表示価格の半額で販売するものであった。なお、当該チラシにおいて、対象商品の適用条件が記載されていたが、「開店1周年全品半額」との強調した記載と比べて文字が著しく小さいなど、明瞭に記載されていたとはいえないものであった。
③新聞折り込みチラシにおいて、「総力祭 全品半額」と記載したが、実際は、メンズスーツ、メンズジャケット、メンズスラックス及びメンズカジュアル等の商品のうち表示価格が一定金額以上の商品で、特設コーナーに陳列された商品のみ、表示価格の半額で販売するものであった。当該チラシにおいては、対象商品の適用条件が記載されていたが「総力祭 全品半額」との強調した記載と比べて文字が著しく小さいなど、明瞭に記載されていたとはいえないものであった。
以上のような事実に対して、消費者庁は、5社が行った表示が景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること、再発防止策を講じてこれを役員及び従業員に周知徹底すること、今後同様の表示を行わないことといった命令を行った。
厳密な法令遵守の必要
事業者が自社製品の広告として、大々的に消費者を惹きつける情報を発信するのは当然である。しかし、それが行き過ぎて、一般消費者に対して、実際のものよりも著しく有利であると誤認させるようなものであってはならない。とはいえ、その線引きはなかなか微妙なものとなり難しいだろう。上記違反事実の例を見ても分かるように、適用条件を放送したり、表示したりしていても、表示時間が短い、文字が著しく小さいなどとして、明瞭に表示されていたとはいえないされている。措置命令に罰則等はないが、命令を受けた事実は公表され、これによるイメージダウン等、事業者のダメージは大きいだろう。事業者には、法令遵守に向けた、より厳密な対応が求められる。
関連コンテンツ
新着情報
- 解説動画
- 江嵜 宗利弁護士
- 【無料】今更聞けない!? 改正電気通信事業法とウェブサービス
- 終了
- 視聴時間53分
- 解説動画
- 浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間
- 弁護士
- 平田 堅大弁護士
- 弁護士法人かなめ 福岡事務所
- 〒812-0027
福岡県福岡市博多区下川端町10−5 博多麹屋番ビル 401号
- 業務効率化
- ContractS CLM公式資料ダウンロード
- まとめ
- 改正障害者差別解消法が施行、事業者に合理的配慮の提供義務2024.4.3
- 障害者差別解消法が改正され、4月1日に施行されました。これにより、事業者による障害のある人への...
- セミナー
- 茂木 翔 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/第一東京弁護士会所属)
- 【オンライン】2024年Web3重要法令改正等の確認
- 終了
- 2024/12/06
- 12:00~13:00
- ニュース
- 外国人雇用の理由「労働力不足の解消や緩和」が60%超 -厚労省2025.1.7
- NEW
- 厚生労働省が日本で働く外国人についての調査を初めて実施し、その結果を公表しました。 その中で...
- 弁護士
- 大谷 拓己弁護士
- 弁護士法人 咲くやこの花法律事務所
- 〒550-0011
大阪府大阪市西区阿波座1丁目6−1 JMFビル西本町01 9階
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード