外国語版被疑者ノート
2011/09/26 訴訟対応, 刑事法, その他
概要
日弁連は、違法な取り調べや虚偽の供述調書作成を防ぐため弁護人が容疑者に差し入れる「被疑者ノート」の外国語版を作成したと発表。英語、中国語、韓国語の3ヶ国語で、各弁護士会に配布するという。
「被疑者ノート」とは
容疑者や被告が取り調べの状況を日記形式で記録するもので、多くは弁護人から渡される。2003年10月に大阪弁護士会が日本語版を作り、日弁連が04年3月から統一書式にした。1日分が見開き2ページで、取り調べを受けた日時や取調官の氏名のほか、暴行や脅迫、利益誘導(取引)の有無をチェックする欄がある。取調官の態度や発言、供述調書の訂正に応じてくれたかなども書き込める。
( 2011-09-17 朝日新聞 夕刊 1社会 )
雑感
07年には大阪地裁がノートの信用性を一部認定し、警察官の暴行を認め、09年にはノートの記載を基に京都地裁が取り調べの違法性を認めた。厚生労働省の文書偽造事件でも、元局長の部下が作成したノートが無罪の根拠となった。
他方で、外国人被疑者の取調べについては、いかに通訳の正確性を担保するかといった問題や、少数言語に対応できる通訳者の確保等独自の課題もあり、ノートだけでは違法な取調べを防止することは不十分である。取調べ可視化の実現が待たれる。
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