鈴木 悠介弁護士
- 西村あさひ法律事務所
▼概要
本セミナーでは、不祥事を起こさない企業風土について、「忖度」と「らしさ」という二つのキーワードから考えたいと思います。元報道記者・弁護士としての視点から、数多くの企業不祥事を分析してみると、そこには忖度と組織的な不祥事との繋がりが見て取れるのも事実です。
そこで今回、とある企業をモデルとしたケーススタディを通じて、過度な忖度や忖度の常態化が企業不祥事に繋がっていくメカニズムを明らかにすることで、受講者の皆様には、企業不祥事を起こさない企業風土作りに役立つ気付きを得てもらいたいと考えています。どこの組織にも「忖度」はある以上、このケーススタディは、他人事とは思えないはずです。
また、「忖度」とならんで、「らしさ」というキーワードを通じて、企業不祥事を分析してみると見えてくるものもあります。「らしさ」の欠如が企業不祥事に繋がったケースもあれば、逆に、過度な「らしさ」の追求が企業不祥事に繋がったケースもあります。こうした「らしさ」を意識したコンプライアンス意識の向上策についても、詳しく解説致します。
▼カリキュラム
1.マニュアル策定・法令研修頼みのコンプライアンス対策の弊害
(1) “コンプライアンス疲れ”
(2) “仏作って魂入れず”“名ばかりコンプライアンス”
(3) 実効的なコンプライアンス対策としての企業風土への取組
2.“忖度”とは
(1) “忖度”の本来の意味は
(2) これまでの“忖度”という言葉はどのように使われてきたのか
(3) “忖度”は、日本特有の文化?
3.とある企業をモデルにしたケーススタディ
(1) 経営危機に苦しむ名門企業をV字回復に導いた一人の幹部
(2) 幹部に対する“忖度”が名門企業にもたらしたもの
(3) 忖度される側のストーリーと忖度する側のストーリーの乖離
4.“忖度”の効能と副作用
(1) “忖度”には効能もあれば、中毒性・副作用もある
(2) “忖度”の副作用の4類型
(3) “忖度”の各副作用からもたらされる企業不祥事の4類型
①暴走型
②あうんの呼吸型
③佞臣型
④ガラパゴス型
5.“忖度”の副作用が生じやすい組織、副作用の抑え方
(1) 忖度する側の立ち居振る舞いではなく、忖度される側の 立ち居振る舞いが重要
(2) “忖度”がもたらすコミュニケーション不全
(3) 山本七平氏の「空気の研究」から学ぶ
6.“らしさ”から考えるコンプライアンス
(1) “らしさ”の欠如がコンプライアンス違反に繋がった例
(2) “らしさ”の追求がコンプライアンス違反に繋がった例
(3) “らしさ”を意識したコンプライアンス意識の向上策とは
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