取材メモ誤送信 読売記者を諭旨退職処分に 編集局長も更迭
2012/08/14 コンプライアンス, 情報セキュリティ, 民法・商法, その他
事案の概要
読売新聞西部本社(福岡市)は14日付朝刊で、同社社会部の後藤将洋記者(33)が、福岡県警警部補による贈収賄事件に関する取材メモを、誤って複数の報道機関の記者にメール送信し「取材関係者を窮地に追い込んだ」として、諭旨退職処分にすると明らかにした。
後藤記者は7月20日、取材結果を同僚らにメールで伝えようとした際、新聞・テレビ・通信社の13社が加盟する福岡司法記者会の記者に誤って送信した。「送信済みメール」の一覧から「全員に返信」する方法を選択したことが原因という。後藤記者は他社からの指摘で約10分後に誤送信に気付き、送信先の全員にメールの削除とその内容を外部に出さないよう依頼した。
同社は「メールには取材源の特定につながりかねない情報が含まれていたことから、取材関係者を窮地に追い込み、多大な苦痛を与えたことを重視した」、また、メールの送信自体は過失だが、「取材情報を社外に流出させ、取材源の秘匿という最も重い記者倫理に反する重大な結果を招いたことから、厳正な処分で臨んだ」と説明している。
また、上司らも、報告を受けながら問題を放置したうえ、メール誤送信とは別に、「福岡県警察本部が暴力団の関係先を捜索した際に警察の本部長通達が見つかった」という誤った記事が掲載されたあとも、適切な対応をとらなかったとして、井川隆明編集局長(58)を役員報酬2カ月、30%返上の上で更迭、井川聡社会部長(53)を降格などの処分にする。
コメント
メールの誤送信という過失は、どのような企業でも誰でも起こりうる問題である。
報道機関の記者など特に情報の取扱いに注意が必要な企業では、メールの誤送信を防ぐような仕組みを企業内部で構築する方が、処分などより、より実効的に重大な結果を防ぐことができるのではないだろうか。
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