冷凍庫のおふざけ写真で店舗閉鎖 ブロンコビリー元店員に損害賠償請求
2013/08/13 コンプライアンス, 危機管理, 民法・商法, その他
事案の概要
ステーキレストランを展開するブロンコビリーは12日、足立梅島店(東京)を閉店した上で、元従業員2名に対し損害賠償請求を検討している旨発表した。
事の発端は、同店舗元アルバイト店員が、食材の入った冷凍庫に自分の体を丸めて押し込み、その姿を撮影してTwitter上に掲載した行為に始まる。
飲食店において衛生管理や消費者に対する清潔なイメージ作りは最重要課題であるが、アルバイト店員による今回のような軽はずみな行動は、ソーシャルメディアの発達に伴い、近年増加している。
例えば、ラーメン店の従業員が店の冷凍庫内で食材のソーセージを口にくわえた写真を撮影し、Twitterに投稿した事案(「丸源ラーメン」を展開する物語コーポレーション)、コンビニ店内の冷蔵ケースに従業員が入って寝転がる様子を撮影した写真がFacebookに投稿された事案(「ローソン」)等、不祥事は後を絶たない。
今回の騒動を受けて、同社代表取締役社長 竹市克弘氏は、同社ホームページにおいて以下のような発表を行った。
「当該アルバイト従業員を解雇、また徹底した店舗清掃・衛生を通じて従業員の再教育をして再開のための準備をしてまいりました。しかしながら、弊社の企業理念にある「おいしい料理と気持ちよいサービス、清潔で楽しい店づくりを通じて心地よいひとときを提供する」使命と、お取引先様等のご支援をいただきながらこの使命の実現に取り組み続けている全社・全従業員の努力に反した責任は重く、当該店舗がこのまま営業再開することは許されないと判断し、退店を決定いたしました。」(同社ホームページより抜粋)
コメント
アルバイト店員が企業のブランド価値を低下させる行為を行い、売上減少や退店を余儀なくされた場合、企業は当該店員に対して損害賠償請求を行うことが考えられるが、その際の立証の困難性は否定できない。企業が被った損害は信用の低下という無形損害であり、また従業員の行為との因果関係の立証も一筋縄ではいかないと考えられるためである。
しかし、ソーシャルメディアの発達に伴い、企業の信用低下リスクは今後ますます増加することが予想される。企業としては、事後的解決に頼るのではなく、従業員教育を始めとした、不祥事を未然に防止するコンプライアンス体制の強化について、今一度検討する必要に迫られているように思われる。
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