【クラブ営業】風営法のしがらみ
2014/09/01 業法対応, 民法・商法, その他
事案の概要
「クラブ」その発音や意味は人により違うものだろう。人によってはスポーツ「クラブ」、銀座などにある高級会員制「クラブ」、若者が集いダンスをする「クラブ」がある。その中でも今回は深夜若者がダンスをする「クラブ」に注目する。
昨今クラブ営業に関する規制につき、緩和される流れにある。第二回風俗行政研究会(警察庁が主催する風営法改正を議論するための有識者会議)において風営法改正について議論された議事録が公開された。クラブ営業は善良な風俗を害するものではなく、一つの文化として重要なものである等といった視点で風営法につき営業を午前6時まで認めるほか、18歳未満の年少者も午後10時までは入場を認めることなど盛り込んでいる。
風営法の立法趣旨
風営法は客に接待などを行い、または一定の設備で遊興させる営業について、規制をしており、クラブ営業は風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)2条3号に該当するため、3条の許可を得る必要がある。しかし、許可を得ても営業時間は0時まで(条例により1時まで延長可)しか営業できない等といった規制がある。
そもそも風営法の立法趣旨は戦後間もないころ男女がペアになってダンスをすることは過度に享楽的雰囲気となり、善良な風俗を害するとされていた。またダンスホールにおいて売春事犯が多数発生していたことも理由の一つである。また現代のイメージとしては薬物事犯のおそれも挙げられる。
コメント
戦後のダンスホールはキャバクラに似た形で営業をしており、現代のクラブ営業とは全くの別物になっており、戦後想定されていたダンスホールとクラブとは相当程度変化しているため、今の風営法は現代の事情を考慮していない前時代的な法律だろう。また薬物事犯についてもクラブにおいて薬物事犯が多数生じているとするのは偏見であり、また他の薬物規制法で規制することも可能である。
また風営法改正によるクラブ営業の経済的効果は当該クラブに限らず、クラブミュージック、ファッション等多岐にわたるものであり非常に大きいだろう。また海外においてもクラブは盛んであり、オリンピックに向けて外国人の需要が増える中、風営法の規制緩和によるクラブ営業の拡大は大きな経済効果があるだろう。
しかし、近隣住民にとってクラブは治安の悪化、ごみ問題、騒音問題など多様な問題がある。そこで、ゴミ拾いやクラブ近辺の見回り等、風営法改正のためにこれらの問題を積極的に解決する姿勢を見せ理解を得ることがクラブに対するイメージを変える重要なものであり、風営法改正にも良い影響を与えるだろう。
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