ドローン規制の何が変わる?令和元年の改正航空法での規制強化について簡単まとめ
2019/07/01 コンプライアンス, 民法・商法
1.はじめに
2019年6月13日、改正航空法が衆院で可決、成立しました。
航空法は旅客機等に関する規制だけでなく、ドローンをはじめとする無人航空機について規制していることはご存知でしょうか?
そこで本記事では、ドローン規制を改めて確認しつつ改正航空法のポイントを解説します。
2.航空法の規制
2−1 規制の対象
航空法において規制される「無人航空機」は「人が乗ることができない飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの」と定義されています。
ここにドローンも含まれると解されます。他には、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等が該当します。(国土交通省のホームページ より)
機体重量200 グラム(本体重量とバッテリーの合計)未満のものは、無人航空機ではなく模型航空機に分類されます。
いわゆるドローン全てが対象となるわけではない点は改めて確認しておきましょう。
ただし、航空法の規制の対象とならないというだけで、他のドローン規制の対象にはなっていることは勘違いしないようにしましょう。
航空法によるドローン規制については、「ドローンにまつわる法的規制まとめ」もご参照ください。
注:2019年の法改正前の記事です
2−2 航空法の枠組み
航空法は無人航空機について基本的な飛行ルールを定めており、これに違反すると50万円以下の罰則が課せられる場合があります。(航空法157条の4)
大まかに分けると、飛ばしてはいけない「空域」を飛ばしてしまった場合(同法132条)と、飛ばしてはいけない「方法」で飛ばしてしまった場合(同法132条の2)があります。
飛行ルールの詳細については国土交通省のホームページで参照できます。
2−3 航空法の改正部分(ドローン関係)
(1)飲酒時の操縦を禁止
今回の法改正では飛ばしてはいけない「方法」が追記され、飲酒時の無人航空機の操縦が禁止されました。(航空法70条)
飲酒で正常に操縦できない場合に飛行させた場合は1年以下の懲役か30万円以下の罰金が科されます。(同法149条3号)
飲酒運転時の厳罰化は記憶に新しいところですが、ドローンにもその波がやってきたという事でしょう。
(2)危険操縦の禁止
急降下など、危険な飛行も禁止されました。(航空法85条)
(3)事故前後の規制強化
飛行前の機長の機体点検が義務化(航空法73条の2)しました。
また万が一事故が起こった場合、状況聞き取りや立入検査が規定されました。(同法134条)
(4)改正法の施行
2019年6月13日に成立した改正航空法ですが、近く公布され、順次施行されるという状況となっています。
ドローン関係の規制内容を検討する際は、施工日にも注意してください。
3 航空法以外の規制
ドローンについては航空法のほか、いわゆるドローン法(小型無人機等飛行禁止法)で規制があります。
主に国会議事堂等の重要施設の敷地および周囲300メートルの飛行が禁止されます。
またオリンピックなどビッグイベントを控え、一部の施設について特別な規制がある場合も多いです。
他にも、基本的なことではありますが民法上の権利を侵害する(他人の敷地でドローンを飛ばすなど)ことも当然違法となります。
注意が必要なのが、地方自治体ごとの規制。
例えば東京では都立公園や庭園のすべてで飛行が原則禁止されるなど、国の規制よりも厳しい場合も少なくありません。
気を付けましょう。
4 まとめ
最近、様々な分野で活躍するドローン。
企業でドローンを活用したい、ドローンを利用したイベントをしたいと言ったニーズは増えてくるでしょう。
しかし、上記のように新しいものであるからこそ新たな規制が加わるペースが早く、意外な規制も多いのがドローン操縦。
使用の際は、新しい情報にも目配りをするようにしましょう。
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