オリンパス臨時株主総会 元社長も質問
2012/04/20 商事法務, 総会対応, 会社法, メーカー
事案の概要
20日、オリンパス(東京・新宿区)は臨時株主総会を東京都内のホテルで開催し、取締役11人、監査役4人が選任された。会社側に批判的な株主から、同社元社長のマイケル・ウッドフォード氏や内部告発問題で不当な人事を受けたと主張している浜田正晴氏を取締役にするよう求める動議も出たが、会社側が提出した経営陣の選出が賛成多数で可決された。
総会議長の高山社長は冒頭、損失隠し問題を陳謝し、信頼回復と抜本的な改革への取り組みを表明したが、損失隠し後の対応や株価の下落に批判の声が上がった。総会は2時間59分に渡り、過去最長を記録した。
ウッドフォード氏は、自身が社長を解任された理由を明らかにするよう、事前に提出していた質問への回答を求めた。これに対して、同社は、ウッドフォードとの間での裁判に影響が出かねないことを理由に説明を差し控えた。ウッドフォード氏は、十分な説明がないのは会社法314条の説明義務に違反しており、総会決議の取消事由になると主張。ウッドフォード氏は総会決議の取り消しを求めてオリンパスを提訴することを検討する意向を示しており、同社とウッドフォード氏との間に新たな訴訟が生じる可能性がある。
事案の概要
たしかに会社法314条は株主総会での説明義務を定めているものの、同条但書により、正当な理由がある場合は、説明義務は免除される。オリンパスは、ウッドフォード氏との係争が正当理由に当たると考えているのだろう。仮に、それが正当理由に当たらず、オリンパスが回答を差し控えたことが説明義務違反に当たるとしても、違反が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないときは、今回の総会決議は訴訟で取り消されない場合もある。今後のウッドフォード氏の対応と、氏が訴えに出た場合の裁判所の判断に注目したい。
関連コンテンツ
新着情報
- 解説動画
- 加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間
- ニュース
- 外国人雇用の理由「労働力不足の解消や緩和」が60%超 -厚労省2025.1.7
- NEW
- 厚生労働省が日本で働く外国人についての調査を初めて実施し、その結果を公表しました。 その中で...
- 業務効率化
- Lecheck公式資料ダウンロード
- 解説動画
- 浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間
- まとめ
- 独占禁止法で禁止される「不当な取引制限」 まとめ2024.5.8
- 企業同士が連絡を取り合い、本来それぞれの企業が決めるべき商品の価格や生産量を共同で取り決める行...
- セミナー
- 大橋 乃梨子 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所 /東京弁護士会所属)
- 【オンライン】事業譲渡における法務DDの着目ポイント ~取引契約の規定内容を中心に~
- 終了
- 2024/11/29
- 12:30~13:00
- 業務効率化
- Araxis Merge 資料請求ページ
- 弁護士
- 片山 優弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- 弁護士
- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号