日本企業の海外M&Aブーム?
2012/07/25 戦略法務, M&A, 会社法, その他
事案の概要
英国フィナンシャルタイムズは23日、「内需市場の沈滞で経済成長のモメンタムを失った日本企業がこのところ海外買収合併(M&A)に成長の突破口を設けている」と報道した。同紙は「バブル絶頂期の1980年代後半に日本が見せた海外M&A熱風がよみがえるようだ」と評価した。
日本企業の海外M&Aが活発化しているのは韓国や中国企業を相手に行っている激しい生存競争が原因だ。韓国企業がすぐ下まで追いついてきた中、サムスン電子など一部でリードされる事例が出てきており、中国企業まで追撃の隊列に合流していることから突破口として海外M&Aに視線を転じている。日本の内需もかんばしくなく、企業の成長を妨げている。また、昨年3月の大震災と津波の発生で生産施設が破壊され、電力難が厳しくなった点もまた海外M&Aを刺激する要因だ。
金融情報業者のディールロジックによると、昨年日本企業の海外M&A規模は840億ドルだった。これは世界3位規模だ。今年日本の海外M&Aは昨年の規模を大きく上回ると予想されている。今年に入り7月中旬までで日本企業の海外M&A規模は450億ドルだ。こうした傾向なら今年末には900億ドルを超えると予想される。
しかし日本企業が80年代後半のように放漫にM&Aに出るのではない。当時の日本企業は資産バブルに酔い、海外企業だけでなくニューヨークのロックフェラーセンターなど不動産まで狂ったように買い入れた。フィナンシャルタイムズは、「当時日本の会社はただ買い入れるために企業を買収した。だが、最近は細かく調べ用心深くM&Aを進めている」と伝えた。
コメント
内需市場の沈滞により、日本企業は海外M&Aに突破口を見出している。海外M&Aにより企業の成長を目指すのであれば、買収する企業を下調べし、慎重にことを進める必要があるだろう。
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