オンライン海賊版ゲーム、ユーザーも初摘発へ
2012/09/10 知財・ライセンス, 著作権法, エンターテイメント
概要
著作権侵害に対する圧力が高まっている。
人気オンラインゲームとほぼ同じように遊ぶことができる違法なゲームサーバーをインターネット上で提供し、ゲーム会社の著作権を侵害したとして、警察は6日にも大阪府の23歳の男ら3人を書類送検する方針を固めた。
著作権が侵害されたのは人気オンラインゲーム「タワーオブアイオン」。被疑者はエミュレーターサーバーと呼ばれる模倣サーバーを作成し、インターネット上で公開していた。
利用者は、本来キャラクターなどの情報(データパック)をダウンロードした後、利用料金を支払い、正規のサーバーにアクセスしてゲームを行う。しかし、このエミュレーターサーバーでは、データパックを勝手に使って料金を払わずにゲームをすることができる。
エミュレーターサーバーは、ゲームの進む速度など設定の一部が勝手に変えられていて、警察はこうしたプログラムの書き換えが著作権の侵害にあたると判断したもよう。オンラインゲームのエミュレーターサーバーをめぐって著作権法に問われるのは全国で初めて。
また、警察は違法なサーバー上で、違法であることを知りながらプレイしたユーザーも書類送検する方針。管理者、ユーザーともに容疑を認めているという。
コメント
ダウンロード違法化をはじめとして、最近の著作権の侵害に対する圧力は高まる一方だ。確かに制作者保護の必要性は高い。しかし、一般にユーザー側はサービスを受けるのみで、そのサービスが著作権上合法か、違法かという区別はできない。
上記の概要にはユーザーも容疑を認めているとあるが、はたしてどのような経緯で容疑を認めたのだろうか。たとえば、オンラインゲーム上でユーザー(の動かすキャラクター)が違法であることを話していたら、それだけで違法であると認識していることになるのか。
企業法務に携わる者として怖いのは、自社で使用しているソフトが気付かないうちに著作権法違反になっており、それにもかかわらず違法であることを認識していたとされ、著作権法違反のペナルティ(民事にせよ、刑事にせよ)を課せられてしまうことである。常に自社のソフトが著作権法に違反していないか、またそれだけではなく社員がどのような認識でソフトを使っているのかに目を配る必要があると感じた。
関連リンク
- TBSニュース該当記事(リンク切れ)
- SankeiBiz該当記事: オンライン海賊版ゲーム、ユーザーも初摘発へ 神奈川県警(リンク切れ)→アーカイブ
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