会社法一部改正
2014/07/08 商事法務, 法改正対応, 法改正, 会社法, その他
法案の概要
株式会社をめぐる最近の社会経済情勢を踏まえ、改正会社法が平成26(2014)年6月20日、参院本会議で可決・成立した。改正の内容は、①監査等委員会設置会社制度の創設、②社外取締役の要件の変更、③株式会社の完全親会社の株主による代表訴訟の制度の創設、④株主による組織再編の差止請求制度の拡充等である。
主な改正内容は次のとおり。
1会社経営に対して社外取締役の監査を強化する等
①監査等委員会が、取締役の職務の執行の監査を行うとともに、株主総会において意見を述べることができる監査等委員会設置会社制度を新設。
②社外取締役の要件に、株式会社の親会社の取締役でないこと及び株式会社の取締役の近親者でないこと等を追加。
③現行法の規律を改め、会計監査人の選解任等に関する議案の内容の決定権を監査役又は監査役会に付与。
2企業集団の運営の一層の適正化を図る
①株式会社の完全親会社の株主が、代表訴訟により完全子会社の取締役等の責任も追及できる制度を新設。
②株式会社が法令・定款違反の組織再編等を行うことで株主の利益が害されることを防止するため、株主による組織再編等の差止請求制度を現行法の規律より拡充。
③詐害的な会社分割において分割会社に残された債権者が、承継会社に対しても債務の履行を請求できる旨の規定を新設。
コメント
本改正により、経営に対する監査等の強化、企業運営の適正化が期待されることについては、まさにその通りだと考える。ただし、外部の取締役による監視体制を強化しすぎると、迅速な取引がしにくくなり、企業の経済的発展が停滞するおそれもある。監視体制をどのように強化していくかは、今後の課題と思われる。
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