水素水の賞味期限?食品ネット販売と企業の情報提供
2016/05/31 消費者取引関連法務, 消費者契約法, 食料品メーカー
はじめに
消費者庁は、23日、4月28日に行われた第5回「食品のインターネット販売における情報提供のあり方懇談会」の議事録を公開した。五回目の開催となる本会では、食品のネット販売を利用する際に必要としている情報、必要な情報をどのように提供してもらいたいかについて、消費者6名による意見のヒアリングがされた。
現時点では、食品のインターネット販売における情報提供につき食品表示法上の規制はなく、なんらかの法制度やガイドラインが示される可能性があるため、注目される。
食品のインターネット販売における情報提供のあり方懇談会とは
容器包装入りの食品については、平成27年4月1日に食品表示法が施行され、表示内容の量・質ともにこれまで以上に充実した食品表示制度が始まった。購入時に食品自体が遠隔地にある場合、消費者は当該食品を手に取って、その表示を確認することができない。しかし、食品表示法は、「食品を摂取する際の安全性の確保」及び「一般消費者の自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保」を実現することを目的として、食品表示基準を定めて食品関連事業者等に表示義務を課している。その趣旨を踏まえれば、食品に表示されている情報がインターネットでの購入時にも消費者に提供されることが望ましい。購入時に食品自体が遠隔地にある業態の中で、インタ ーネット販売は、近年急成長してきた業態であり、今後も成長が見込まれる。
そこで、これらを踏まえ、インターネット販売における情報提供の促進を図っていく観点から、消費者に必要な情報の内容、その提供方法、事業者にとって実行可能性のある情報提供を促進するための方策を、幅広く検討する趣旨で開催されている会合が食品のインターネット販売における情報提供のあり方懇談会である(食品のインターネット販売における情報提供の在り方懇談会開催要領http://www.caa.go.jp/foods/pdf/151204_shiryou1.pdfより)
計9回の懇談会の後、今秋には報告書が公表される予定である。
今回のヒアリングで提出された意見
ある消費者は、インターネット販売においては、購入してから手元に来るまでに時間的なギャップがあるため、賞味期限や消費期限が消費者に必要な情報として重要であるとの意見を提出した。また、他の消費者も、容器包装には製造から2,3日が浅漬け3から5日が食べごろで深漬けとして食べられる旨の表示があるのに、ネットでは載っていなかったため、浅漬けの時に食べることができなかったとの経験を指摘していた。
コメント
食品のインターネット販売では、店舗から持って帰る手間がないため、またまとめ買いで割引となることが多いため、大量に購入することも多い。そうすると、賞味期限や消費期限内に消費できるか否かが重要である。
また、賞味期限や消費期限を積極的に表示することで、消費者に安心を提供することができる。
このように顧客の満足の向上に資するため、法改正がなされる前でも、法務担当者は商品ページの担当者に賞味期限等の表示を提案してみても良いだろう。
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