こういうときこそ、国の出番
2011/08/11 法務相談一般, 民法・商法, その他
法案の概要
民主党原発事故影響対策プロジェクトチームは3日、特別措置法案をまとめた。この法案は、東京電力福島第一原発事故で放射性物質に汚染された原発構外のがれき処理や、土壌除染を国が行うためのものである。
具体的には、環境省が指定する「汚染廃棄物対策地域」のがれきの処理の国に義務付け、その費用は電力会社に請求できるというものである。また「対策地域」には「特別な管理が必要な程度に汚染された恐れがある場所」が指定される。原則として、「対策地域」には現在の警戒区域と計画的避難区域が該当し、そこにあるがれきが処理の対象になるが、地域外にあっても一定以上の汚染があるがれきならば、国の処理の対象になる。
また、土壌などは、環境省が指定した「重点調査地域」について、国、知事そして市町村長等が除染する。ただし、国による代行も可能である。
法案作成の理由
現行の廃棄物処理法や土壌汚染対策法は、放射能汚染を想定していない(廃棄物処理法2条1項、土壌汚染対策法2条1項参照)。つまり、現行法では放射能汚染されたがれきの除去をすることはできない。そのため、国による放射能汚染がれき除去のためには、その根拠となる法律が新たに必要になり、本件特措法の制定が検討されたのである。
がれきを除いたその後に
がれきの量が膨大であり、また放射性物質という人体に危害を加えうるものを含むため、がれきの処理を個人に任せることはできない。個人の力では解決できない問題を解決する場面こそ、国の本領が発揮される場面であろう。そして、がれきを除去して土地を最大権利用できるようにすることで、経済活動がより活性化し、復興にまた一歩近づくことができるのではないか。
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