被災地のニセ医者、ついに逮捕!
2011/08/19 法務相談一般, 民法・商法, その他
事件の概要
東日本大震災の被災地、宮城県石巻市で資格を持たずに医師の名称を使ったとして、宮城県警は19日、医師法違反の疑いで42歳の男を逮捕した。宮城県警は、医師の資格がないのに「医師国家資格認定証」等と記載されたカードのコピーを提出するなどして、医師の名称を使った疑いのみならず、医師免許を持たずに医療行為を行っていた疑いもあるとして、無資格医業容疑での再逮捕も視野に入れて捜査している。さらに、ボランティア団体の代表を名乗り、日本財団から助成金として100万円を受け取っており、詐欺容疑でも捜査を進める方針だ。
以前から感じられた違和感
男性は、当初、米国の大学を卒業後、神戸で小児科医として働いていたなどと説明していた。さらに、阪神大震災でも支援活動に携わり、「国境なき医師団」にも参加し、海外での医療経験もあると周囲に吹聴していた。しかし、その一方で、常に帽子を目深にかぶってマスクをつけ、写真撮影を極端に嫌がる等、不審な挙動が目立ち始め、また、関係者から診療所を作ることを提案された際にも、終始断り続けていたという。
やらない善よりやる偽善?
男性が所持していた「医師国家資格認定証」というものは公的な証明書としては存在しない。そのカードも大阪市の住民基本台帳カードと酷似していた。しかし、医師免許を見たことがない者にとっては、信用に足る書類であったといえる。今後このような者が現れないようにするため、医師会への確認も必要になろう。厳重な身元確認をすることは、善意を拒むことにもつながりかねず、ボランティアを受け入れる被災地側としては取りにくいという心情も理解できる。しかし、医療行為は同時に傷害行為にも該当しうる以上、より慎重な対応が求められるのではないか。
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