反社会的勢力の不当要求に屈した企業が18% [警察庁調査]
2012/11/16 コンプライアンス, 民法・商法, 会社法, その他
事案の概要
警視庁が、暴力団など反社会的勢力に対する取り組みについて企業にアンケートしたところ、過去5年間に不当要求を受けた337社のうち、62社(18.4%)が何らかの要求に応じていたことが15日分かった。
「不当要求の一部に応じた」、「不当要求に全て応じた」と答えた企業62 社について、過去5年間に応じた不当要求の合計金額をみると、50 万円未満の要求に応じた企業が7割弱を占めた一方で、500 万円以上という高額の要求に応じた企業が合わせて8.0%(5社)となっている。
不当要求の際の脅し方については、「不安になるような漠然とした危険」が65.6%と大半を占める。また、不当要求の内容は、「因縁をつけて金品や値引きを要求」が39.2%で最多だった。
不当要求からの被害防止のため、契約書等に暴力団排除条項を盛り込むなどの取り組みを行っていると回答した企業は全体の61.5%に達し、2010年の前回調査の30.8%から改善した。
しかし、上場企業や従業員1000人以上の企業では取り組みを行っている割合が90%を超えるのに対し、個人事業主では37.7%、従業員10人未満では35.4%にとどまり、企業間格差が浮き彫りになった。
コメント
上場企業では、スルガコーポレーションが反社会的勢力の利用が発覚したため銀行からの資金調達がストップされ、民事再生に追い込まれる事態が生じている。また、蛇の目ミシンのように反社会的勢力からの脅しに屈することにより、取締役が巨額の損害賠償責任を負わされることもある。
現行会社法の下では、反社会的勢力との関係を維持すること自体が善管注意義務違反となる可能性がある。スルガコーポレーションや蛇の目ミシンの二の舞にならぬよう経営者はこのことを肝に銘じておくべきだろう。
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