自社の偽装が発覚!どうすればいい?
2013/10/28 コンプライアンス, 消費者取引関連法務, 民法・商法, その他
先日、阪急ホテルズがメニューに表示された内容とは実際には異なる食材を使用していたことを発表し、同社の信頼が大きく揺らいでいる。
28日時点では、食品とメニューの不一致が意図的な偽装であったか誤表示であったかを巡って出崎社長の釈明が行われたものの、その内容は説得力を欠くものであり、消費者の視線は厳しさを増している。出崎社長は明日にも再調査結果を公表したうえで誤表示との表現を改める予定という。
似たような問題は実際にはどの会社にも起こりうる問題である。
今回47種類のメニューが実際の食材と不一致であったが、そのなかに「鮮魚」という文言が入っていたにもかかわらず、実際には冷凍ムニエルをだしていたというものがあった。
しかし、現代の冷凍技術によると冷凍された魚であってもその鮮度は鮮魚に比べて落ちるとは一概にはいえないようだ。
そうすると当事者としてはこれくらいは大丈夫という甘い意識が働くのも、ある意味では無理からぬことかもしれない。
もちろん、偽装などということは起きて欲しくないが、起きてしまったらどうするのか?
その場合、会社法という観点からはミスタードーナツの肉まん違法添加物混入事件についての判例が経営者、ひいては法務の方に参考になるかもしれない。
この事案は、ミスタードーナツが販売している肉まんの中に違法な添加物が含まれており、取締役らがそれを知った後も売り続けたというものである。
一般に経営判断については法律上、経営者の裁量は広く認められるものであるが、この点についての判例は断固としたものであった。
判例は、取締役が事実が露見するおそれを認識しながら何らの行動も起こさなかった点について、事実が露見する蓋然性が高く、また露見したことによる被害は甚大なものになることが予想されたにもかかわらず漫然と事態を成り行き任せにすることは許されないとして、取締役らの責任を認めている。
この判例が、不祥事が露見すれば一律に経営者はそのことを公表する義務があるのか、あるいは事案の露見の可能性が少なければ公表しないことも許されるのかについて判断を下したかはさだかではないが、一般的にはやはり速やかに事実を公表した上で再発防止策の策定およびそのことのPRに務めたほうがいいだろう。
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