悪質荷主の社名を即時公表へ
2014/02/04 法務相談一般, 民法・商法, その他
事案の概要
国土交通省は、荷主勧告制度を見直すことを決めた。
従来の制度を変更し、悪質な荷主に対しては即座に勧告を出し社名を公表するようにする。
荷主勧告制度は、トラック運送事業者が行った過積載運行等の違反行為について、荷主が指示するなど荷主の主体的な関与があった場合に、国土交通省が当該荷主に対して是正措置を勧告し、トラック運送事業者の違反行為の再発防止を図るものである。
荷主勧告は、過去3年間に1回、事業者の過労運転、過積載運行又は最高速度違反の防止に係る警告的内容の協力要請書を発出した荷主に対して行われる。
荷主勧告を行う条件としては、「既に発出された協力要請書に係る違反行為と同様の違反行為に対する安全確保命令又は行政処分を行う場合であって、当該違反行為への荷主の関わり方に改善が認められない場合であること」とされている。この荷主勧告がなされるに際しては、社名公表をすることになっている。
もっとも、制度開始以来、荷主勧告、社名公表に至った事例はない。
そこで、現行の荷主勧告の運用を定める局長通達等について、安全阻害行為を一層的確に防止するため、荷主勧告発動に先駆けて、「協力要請書」の発出を要件としないこととし、荷主勧告を発動、当該荷主名及び事案の概要を公表するものとし、危険な運行の減少に繋げるものである。
コメント
荷主の優越的地位の濫用により運送会社が無理な要求を呑まされることがあることから、荷主側への制裁を強化することで、危険な運行の減少に繋がる可能性はある。
しかし、勧告がなされる荷主は限定的であるといえる。
荷主勧告は「貨物自動車運送事業法(以下省略)64条第1項の規定により、実運送事業者の違反行為が主として荷主の行為に起因するものであり、かつ、実運送事業者への処分のみでは再発防止が困難であると認められる場合に発動するもの」とされている。
処分を受けていない事業者の荷主に対しても荷主勧告が発動できるようすることで、より実効的なものにする必要があると考えられる。
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