過労死防止法案 与党が作成
2014/03/31 労務法務, 労働法全般, その他
事案の概要
自民党雇用問題調査会のワーキングチームが、過労死や過労自殺を防止するための法律の骨格案をまとめた。
本案では、事業主や地方自治体に対しては、長時間労働などに対する規制策や罰則を定めていない。国の対策に協力するという努力義務に留めている。
これは、過労死防止法の理念が、国の責任で社会から過労死をなくすとしているためである。国が対策の責務を負うことを明確にし、国が過労死を防ぐための大綱を作らなければならないとされた。
近年、多数の過労死事案が報道され、2010年秋から始まった法案制定を求める署名活動には、昨年9月11日時点で46万人を超える賛同が集まった。また、地方議会からも法律制定を求める意見書が提出されている。そして、昨年12月には野党議員から「過労死等防止基本法案」が国会に提出され継続審議となっており、自民党は野党とも調整し今国会での成立を目指す。
国による対策として、①過労死の実態調査、②国民への啓発活動、③過労死の相談体制の整備、④民間団体の活動支援などを挙げている。
コメント
現状として、労働基準法・労働安全衛生法・労働組合法・労働契約法などでは、過労死の歯止めとはなっていない。
労働基準法は、労働時間などを規制する法律である。しかし、使用者は、労働組合または労働者の代表と協定を結ぶことにより、規制された時間を越えて働かせることができ、実質的には規制時間を超えて残業させることができてしまう。また、労働基準法に基づく行政機関の介入は実際には限定的なものとなっており、過労死防止の有効な手段となっていない。
本案成立が、過労死防止へと繋がることを期待したい。
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