有利誤認表示
2015/03/24 広告法務, 消費者取引関連法務, 景品表示法, その他
事案の概要
株式会社化キャリアカレッジジャパンは期間限定で受講料から1万円の値引きのキャンペーンを行うとの表示をしていたにもかかわらず、翌月も同様のキャンペーンを行うとの表示をしており、表示期間以外でも長期にわたって正規受講料からの値引きが行われるという表示がなされていたため、当該表示が取引の相手方を著しく有利であると誤認させる表示であったと消費者庁に判断された。
有利誤認表示とは
今回、株式会社キャリアカレッジジャパンに対し、有利誤認の表示があるとして景品表示法6条の規定に基づき措置命令が行われた。「有利誤認」とは、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利である、もしくは競争事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるものであって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示のことを言う。
関連する事案について
これまでにも自社の直売店での価格を「定価」と表示し、当該価格から著しく低い価格で提供するといういわゆる「二重価格」の事案や合理的な根拠なく、問題となった商品を煙草に付着させることでニコチンをビタミンに変えるという商品の宣伝表示をしたため、これが有利誤認表示であるとされた事案がある。
有利誤認表示に関して企業法務が気を付けること
この株式会社キャリアカレッジジャパンの事案は事実上の表示期間が長すぎるために行われた命令措置であると考えられる。また、「二重価格」及び煙草に関する商品はそれぞれ商品の値段や商品の品質についての事案であり、一般的な消費者が見たときに当該表示がなければ商品を購入しなかったであろうとされる点が問題となっている。こうした商品表示に関する行き過ぎた表示は故意でなくとも景品表示法の規制の対象となることがあるので注意する必要がある。また、インターネットショッピングにおける商品や価格に関する表示については、利用者が販売員と対面で商品を購入する取引でないため、利用者が値引きの条件や商品の質に関する情報を知らないまま購入する可能性がある。こうした購入はトラブルの原因となるので必要な情報はできる限り利用者の目に留まるような箇所に掲載しておくべきである。
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