4月施行、フロン排出抑制法の概要
2015/03/31 法改正対応, 法改正, その他
平成25年に成立した、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律 」が4月1日より、全面施行される。本法律に基づいて、事業者には種々の義務が課されることになるので、これを機に本法律の概要を確認したい。
改正法の概要
本法律は業務用の空調機器などを対象としている。オゾン層を破壊し、地球温暖化の原因となるフロン類の排出を抑制するために、その排出源となりうる業務用のエアコン、冷凍冷蔵機器の管理者に対して、機器及びフロン類の適正な管理が義務付けられることとなる。
事業者等の管理者に課される義務としては、以下のようなものがある。
①機器の設置に関わる義務
エアコンや冷蔵庫などの機器を適切な場所に設置する。機器の損傷を防止するために、振動源を周囲に設置しないことや、点検・修理のために必要な作業空間を確保することなどが求められる。
②機器の点検義務
機器の管理者は、4半期ごとに1回以上の簡易点検(製品外観の目視確認など)を実施する必要がある。一定規模以上の空調、冷凍冷蔵機器の場合は簡易点検の他に、専門的知見を持つ資格保有者などによる定期点検が必要となる。
7.5kW以上の冷凍冷蔵機器は1年に1回以上、50kW以上のエアコンも1年に1回以上、7.5kW以上50kW未満のエアコンは3年に1回以上の定期点検が必要となる。
また、義務の履行のために、点検の記録、整備の履歴を機器ごとに記録簿に記録し、保管することも求められる。
③フロン類漏洩への対応
フロン類の漏洩が見つかった場合、修理を実施する。未修理の機器へのフロン類の充填は原則禁止される。フロン類を充填する場合には、都道府県に登録された第1種フロン類充填回収業者へ委託する必要がある。
また、フロン類が漏洩した場合には、漏洩量を算定し、毎年度の算定量がCO2換算で1000t以上の場合は、国への報告義務がある。
④機器の破棄に関わる義務
機器の破棄時には、不要となったフロン類を、都道府県登録の第1種フロン類充填回収業者に委託する必要がある。
事業者が注意すべき点
業務用エアコン、冷蔵庫等の機器を使用していれば、本法律が適用されることになる。飲食事業者や各種小売業、運送、倉庫事業者などをはじめ、対象となる業界は多岐にわたる。
また、義務違反に関しては、罰則規定が設けられているものもあり、報告されたフロン漏洩量については会社名が公開されることになる。
法務担当者としては、まずは自社がどのような機器を使用しているかを把握した上で、現場担当者への指導も必要となる。
また、フロン類の充填・回収、漏洩量の報告手続などの効率化のために、データを電子的に管理する「情報処理センター」という仕組みが導入されている。
大規模な事業者になれば、各種手続の煩雑化も予想されるので、同センターの活用も考慮する必要があるだろう。
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