絵に描いた餅では
2011/01/18 消費者取引関連法務, 民法・商法, 住宅・不動産
投資用マンション「グリフィン」シリーズを展開する陽光都市開発(横浜市西区)は投資用マンションの販売でしつこい勧誘を繰り返したとして17日国土交通省関東地方整備局より業務停止22日間(2月1日~22日)の監督処分を受けた。
同局によれば、同社は投資用分譲マンションの販売に際し、複数の社員により複数の消費者に対し、勧誘の電話を断っているにもかかわらず、繰り返し電話勧誘を行い、また、同様に相手方が断っているにもかかわらず、その理由を求め電話を長引かせる行為や、相手方を中傷するような発言を行い、電話を長引かせる行為を行ったもよう。これらの行為が 「電話による長時間の勧誘等により相手方を困惑させるもの」として行政処分の対象になった(宅地建物取引業法第47条の2第3項に規定する省令である、宅地建物取引業法施行規則第16条の12第1号(ハ)に違反するため、宅地建物取引業法第65条第2項第2号に該当)。
同社のホームページを見ると当然のことながらコンプライアンス・ガイドラインを定めている。そしてそこでは同社が顧客に対して公正誠実な対応で接すること、事業運営にあたっては宅地建物取引法など関連法令を遵守することなどが宣言されている。しかしながらこれらの行動規範は遵守されなかった。現場の独断であったのか、上層部からの指示であったのかは皆様の想像におまかせするが、行動規範を定めても絵に描いた餅にしてしまっては意味がない。それどころか良からぬ結果を導くことになる。同社は業務停止、経営トップの交代といったリスクを負っただけでなく、この先顧客、株主の信用を失うことになってしまうことだろう。企業には行動規範を定めるだけでなく、それを遵守したうえで経営を行っていく覚悟と知恵が必要であると考える。
【関連リンク】
国土交通省関東地方整備局 記者発表資料 (リンク切れ)
陽光都市開発HP (リンク切れ)
関連コンテンツ
新着情報
- ニュース
- 厚生労働省、企業にカスハラ対策義務化へ2025.1.10
- NEW
- カスタマーハラスメント、通称“カスハラ”。顧客や取引先などから過剰な要求を受ける、不当な言いが...
- 解説動画
- 江嵜 宗利弁護士
- 【無料】新たなステージに入ったNFTビジネス ~Web3.0の最新動向と法的論点の解説~
- 終了
- 視聴時間1時間15分
- まとめ
- 中国「データ越境移転促進・規範化規定」解説2024.4.23
- 中国の現行法令上, 香港・マカオ・台湾を除く中国本土内(「境内」)から境外への個人情報等の移転...
- セミナー
- 岡野 琴美 弁護士(弁護士法人GVA法律事務所/第二東京弁護士会所属)
- 【オンライン】スタートアップに知ってほしい!クラウドファンディングの法務
- 終了
- 2024/11/28
- 12:00~13:00
- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 大谷 拓己弁護士
- 弁護士法人 咲くやこの花法律事務所
- 〒550-0011
大阪府大阪市西区阿波座1丁目6−1 JMFビル西本町01 9階
- 解説動画
- 岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分
- 弁護士
- 松本 健大弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階