初音ミクなどボカロ楽曲 カラオケで著作権使用料が支払われない
2011/03/25 知財・ライセンス, 著作権法, エンターテイメント
【ボーカロイド楽曲】
メロディーと歌詞を入力し、サンプリングされた人の声を元にした歌声を合成することで、1つの楽曲となるもの。有名なものとしては、初音ミクなどのソフトを使った楽曲。
記事概要
ニコニコニュース(ニコニコ動画HPリンク)によると、今回のボーカロイド楽曲に関する問題についての議論が紹介されている。ここでは、去年のJOYSOUND年間総合ランキングに、ボーカロイドを用いた楽曲がトップ10のうち5曲も占めているとしている。
しかし、クリエイターには、これまでの使用料は支払われることはなく、カラオケ業界に利益が全ていっているようだ。有料で企業が利益を上げているのに、クリエイターには分配がないというのは、少しおかしい感じもする。
そして、JASRACに信託する方法が、現在では有力な方法ともしている。
この問題は、ボーカロイドに興味のある人たちからは、以前から議論されていた。そんな中で、去年の11月に、『初音ミク』などの開発・販売を行なうクリプトン・フューチャー・メディア株式会社が、ある提案を発表している(クリプトンフューチャーメディア株式会社 プレスリリース)。
それは、ボーカロイドのクリエイターに著作権を分配する音楽出版事業を開始するものだ。その特徴としては、クリエイターの負担を回避しつつ、ネットでの音楽利便性を考慮した、新しい形での著作権管理を行うというものである。
ボーカロイドが好きな人は分かってもらえるが、クリエイター自身の楽曲利用が自由なこと、これが、このボーカロイド人気を広めていったともいえる。ある楽曲を聞いたリスナーが、その楽曲などを用いてクリエイターになっていく。そのためには、クリエイター自身が楽曲についての利用に自由が必要とされる。そこで、これまでのボーカロイド文化を最大限活かしつつも、現状の使用料無配を打開するものとして、商用利用目的に焦点を絞った、著作権管理の体制を構築していくというものだ。
これにより、今までJASRACに信託することを躊躇していたクリエイターにも、1つの選択肢が出来たともいえる。
最後に
音楽の著作権問題もそうだが、コンテンツなどの使用料などについては、いろいろな問題が多い。消費者側の利便性も必要だが、クリエイターの権利も守られるべきだ。ボーカロイドのように、新しい形のコンテンツ・サービス展開も、今後増えていくだろう。みんなが笑顔になれる制度作りに、関係各社・団体の協力体制が必要とも思われる。
関連リンク
関連コンテンツ
新着情報
- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- セミナー
- 豊泉 健二 氏(古河電気工業株式会社 法務部 部長)
- 藤原 総一郎 氏(長島・大野・常松法律事務所 マネージング・パートナー)
- 板谷 隆平 弁護士(MNTSQ株式会社 代表取締役/ 長島・大野・常松法律事務所 弁護士)
- 【12/16まで配信中】CORE 8 による法務部門の革新:古河電気工業に学ぶ 人材育成とナレッジマネジメント
- 終了
- 2024/12/16
- 23:59~23:59
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード
- まとめ
- 株主提案の手続きと対応 まとめ2024.4.10
- 今年もまもなく定時株主総会の季節がやってきます。多くの企業にとってこの定時株主総会を問題無く無...
- ニュース
- 外国人雇用の理由「労働力不足の解消や緩和」が60%超 -厚労省2025.1.7
- NEW
- 厚生労働省が日本で働く外国人についての調査を初めて実施し、その結果を公表しました。 その中で...
- 弁護士
- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 解説動画
- 加藤 賢弁護士
- 【無料】上場企業・IPO準備企業の会社法務部門・総務部門・経理部門の担当者が知っておきたい金融商品取引法の開示規制の基礎
- 終了
- 視聴時間1時間
- 解説動画
- 岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分