ネット社会は現実社会よりもマナーが悪い!?
2011/07/22 法務相談一般, 民法・商法, IT
2011年版警察白書の内容
警察庁は22日、2011年版警察白書を公表し、インターネットを利用したサイバー犯罪を特集している。その中で、現実社会よりインターネット上のモラルやマナーが「悪い」と感じている人が8割以上いるとの調査結果を明らかにした。サイバー犯罪の検挙件数も過去最高で、昨年の検挙件数は前年より243件多い6933件で過去最高となっており、「年々深刻さを増している」と結論づけている。近年の特徴として、ゲームなどを通じて不特定多数と交流するコミュニティーサイトの利用をきっかけに、18歳未満の児童が買春などの被害に遭う事例が増えているとも指摘している。
現在行っている対策
警察庁はサイバーテロ対策として、部門横断的な対策推進室を設置しているほか、高度な専門知識と技術を持つ職員で構成するサイバーフォースセンターが24時間態勢で予兆把握などに努めていると説明している。重要インフラ事業者との共同訓練なども実施しているとした。改正刑法が成立したことも、サイバー犯罪の抑止に役立つものとして期待できる。
これからどうやって防ぐべきか?
白書は「サイバー空間では何をやっていいといったゆがんだ認識が生まれ、規範意識が低下していることも考えられる」と指摘している。インターネットの匿名性がその背景にはあるのであろう。しかし、匿名というのは、名前を書き込まないというだけのことで、正体の秘匿が保障されているわけではない。ネット利用者はこのことを肝に銘じるべきではないか。悪質な行為を排除することは、サイバー空間の発展につながる。今後は、警察と民間のプロバイダー業者などの協力も不可欠であろう。
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