大学の国際競争力とは
2011/10/06 法務採用, 民法・商法, その他
概要
イギリスの教育専門誌、Times Higher Educationが今年の「世界大学ランキング」を発表した。上位200校のうち、日本の大学は東京大学(30位)、京都大学(52位)、東京工業大学(108位)、大阪大学(119位)、東北大学(120位)の5校だった。東大は、香港大学を抜いて、アジアのトップに返り咲いた。
ランキングは、教育、研究、論文引用数、スタッフ一人当たりの学生数、国際性などに応じて決定している。
日本の大学の現状と取り組み
こうした大学ランキングは欧米の大学に有利になりやすいともいわれるが、日本は昨年に引き続き5校がトップ200校に入り、200位台にも5校が入る。これだけ見ると、日本の大学もなかなか悪くはないのではないかとも思える。しかし、2011年の時点で日本の大学数は778校あり、これはイギリス(167校)、ドイツ(370校)よりも多く、アメリカ(2629校)に次ぐ数だ。今、日本は少子化に歯止めがきかず、大学の経営も苦しくなっているのが現状だ。すでに量は飽和状態に達しているのであり、これからは全体の質がより重要になってくる。
東京大学は、今年7月に大学入学時期を秋以降にすることを本格的に検討し始めることを明らかにした。欧米では秋入学が一般的であるが、海外からの留学生獲得などで欧米や台頭する他のアジアの大学に対抗できる国際競争力を得ることが目的だ。日本の最高学府とよばれる東大が先陣を切ることで国内の他の大学にどう波及していくかが注目される。
コメント
これは大学だけではなく、企業も一緒に取り組むべき課題である。近年、学生の質が低下していると嘆く企業の人事の方が多いという。しかし、3年生の秋には本格的に就職活動を始めることが慣習になっている日本の大学生は、卒業後に既卒、新卒に関係なく就職活動を始める欧米の大学生に比べても、勉学に集中できる期間が短い。これでは優秀な学生は育たないのは当たり前である。国際競争力を上げるには単に海外から優秀な学生をかき集めてくるのではなく、自国の学生をいかに海外でも通用させる人材に育てるかも同時に進めないといけない。そのためには企業もこれまでの新卒至上主義を本格的に見直す必要があるだろう。
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