オリンパス 損失隠し認める。
2011/11/09 コンプライアンス, 金融商品取引法, 会社法, メーカー
光学機器メーカー大手のオリンパス株式会社(高山修一社長)は、11月8日都内で会見を開き、同社が1990年代から損失隠しをしていたことを認めた。同社は1990年代から有価証券投資等により損失が生じていたが、損失を有価証券報告書に記載せず、損失埋め合わせのためにM&Aを利用していた事実が明らかとなった。高山社長によると損失隠しの責任者には菊川剛前社長、森久志副社長、山田秀雄常勤監査役の名前が挙がっている。同社は3名の法的責任について第三者委員会の調査にゆだねる方針であり、刑事告発の可能性も指摘されている。
今回の一連の事件で問題となる可能性がある法的責任について調査してみると、金融商品取引法、会社法上の責任が指摘されている。まず指摘されているのは、金融商品取引法の責任だ。有価証券報告書に重要な虚偽記載をした場合、10年以下の懲役、1000万円以下の罰金その双方が科される(金融商品取引法197条1項1号)。同法は法人の両罰規定についても規定しており、法人には有価証券報告書の虚偽記載には7億円以下の罰金が課せられる(同法207条)。次に指摘されているのは、会社法上の責任として特別背任、株主代表訴訟(429条2項)等による責任である。
20年近く損失隠しを行なっていたことや同社が当初「不正はない」と繰り返し主張したいたことを考慮すると、同社及び経営陣に課せられる法的責任は、重いものとなる可能性がある。失墜した信用を同社どのように取り戻すのか。同社のこれからに期待したい。
関連コンテンツ
新着情報
- 弁護士
- 福丸 智温弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- セミナー
- 潮崎明憲 氏(株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー)
- 優秀な法務パーソンを自社に迎えるには ~法務専門CAが語るリアル~(アーカイブ)
- 2025/01/22
- 12:00~12:30
- 解説動画
- 岡 伸夫弁護士
- 【無料】監査等委員会設置会社への移行手続きの検討 (最近の法令・他社動向等を踏まえて)
- 終了
- 視聴時間57分
- 業務効率化
- Mercator® by Citco公式資料ダウンロード
- 弁護士
- 松本 健大弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- まとめ
- 独占禁止法で禁止される「不当な取引制限」 まとめ2024.5.8
- 企業同士が連絡を取り合い、本来それぞれの企業が決めるべき商品の価格や生産量を共同で取り決める行...
- ニュース
- 京都新聞HDが大株主から株式取得、特定株主からの自己株取得について2024.12.27
- 京都新聞ホールディングスは26日、元相談役であった大株主から自社株計341万株を約20億円で...
- 解説動画
- 奥村友宏 氏(LegalOn Technologies 執行役員、法務開発責任者、弁護士)
- 登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
- 潮崎明憲 氏(株式会社パソナ 法務専門キャリアアドバイザー)
- [アーカイブ]”法務キャリア”の明暗を分ける!5年後に向けて必要なスキル・マインド・経験
- 終了
- 視聴時間1時間27分
- 業務効率化
- LAWGUE公式資料ダウンロード