過労死等防止対策推進法 11月1日より施行
2014/10/27 労務法務, 労働法全般, その他
事実の概要
過労死等防止対策推進法が11月1日より施行される。本法は、「近年、我が国において過労死等が多発し大きな社会問題になっていること」(1条)から過労死防止対策のために制定されたものである。具体的な対策として挙げられているのは、
①国は、過労死等に対しての実態や効果的な防止方法等の調査・研究を行うこと(8条)
②国・地方公共団体は、過労死を防止することの重要性を国民に自覚させ、必要な施策を講じること(9条)
③国・地方公共団体は、過労死のおそれがある者やその親族が過労死等につき相談できる機会や、その相談に応じる者に対する研修の機会の確保等過労死防止のための適切な対処をするための体制整備・充実に必要な施策を講じること(10条)
④国・地方公共団体は、民間団体が行う過労死等の防止活動への支援に必要な施策を講じること(11条)
が挙げられている。また、過労死等に対しての調査研究等の結果、必要があると認めるときには、その防止のために必要な法制上又は財政上その他の措置を講じるものとしている(14条)。
以上をふまえると、過労死等に対して国・地方公共団体としては調査を行いつつ過労死等の防止を図り、その上で今後の立法につなげる狙いがあるものとみることができる。
コメント
過労死等防止対策推進法が成立したことによって、政府が過労死対策に対して本腰を入れ始めていることが窺えるため、その点では評価することができる。しかし、内容は未だに過労死対策に対しての方策を設定するというものにすぎず、過労死対策に遅れが出ている点は否定できない。それゆえ、今後早急に過労死を生じさせた事業者に対する罰則など抑止力が期待される法律等を制定するべきである。
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