11 労務法務, 労働法全般

概要

　企業による重大な不祥事が相次いでおり、内部通報制度の機能不全が指摘される事例が多くみられます。こうした状況を受け、企業には不祥事の未然防止と早期把握・是正を図るべく実効的な内部通報制度の整備が強く求められています。

　本セミナーでは、改正公益通報者保護法、指針案のポイントと実務上の影響を押さえ、事例をもとに課題の解決策を検討します。さらに、ガバナンス改革、ＥＳＧ評価の最新動向を踏まえ、役員不祥事対策としての内部通報制度の在り方と実務対応を検討します。

カリキュラム

１．不祥事から見る内部通報制度の機能不全の実態
　　１）事例検討と内部通報制度の運用実態
　　２）機能不全の現状から得た課題の検討

２．内部通報制度の意義と機能
　　１）内部統制システムの一部としての内部通報制度と役員の法的責任
　　２）ガバナンス改革における内部通報制度の重要性
　　３）内部通報制度の運用の実効性に対する投資家の関心
　　４）SDG’s関連リスク対応と内部通報制度との関係

３．改正公益通報者保護法と指針の概要と実務対応のポイント
　　１）改正公益通報者保護法の概要
　　２）指針案の検討
　　３）実務上の影響と検討すべき課題と解決策
　　４）民間事業者向けガイドライン、内部通報制度認証制度との関係

４．内部通報制度の運用の実効性向上の視点と具体策
　　１）経営層のコミットメント
　　２）制度周知・啓蒙における施策
　　３）外部窓口の選定と社内窓口の連携
　　４）従事者の守秘義務の内容と「正当な理由」
　　５）受付・調査・是正のプロセスにおける通報者保護の具体策
　　６）通報類型に応じた調査と事実認定のノウハウ
　　７）自主申告制度の運用と効果
　　８）運用実績開示の考え方とその方法（社内開示、対外開示）

５．役員不祥事と内部通報制度
　　１）経営層から独立性を確保した窓口の在り方
　　２）監査役・監査等委員会窓口の設置と運用
　　３）調査における留意点

６．グローバルリスク管理における内部通報制度の活用
　　１）海外拠点のリスク情報早期把握の重要性
　　２）グローバル内部通報制度の考え方と制度設計

７．日本版司法取引制度の内部通報制度実務への影響

８．まとめ