ラーメン起源論争!? 外人コックに在留資格!
2011/02/23   外国人雇用, 民法・商法, 労働法全般, その他

疑問・議論イメージ

概要

中国料理のコックとして在留資格を与えられていた中国籍男性に対し、入国管理局が在留資格を取り消し、強制退去処分に処した。この処分を不服として、当該男性が争っていた裁判の判決が2月18日に東京地裁で下された。判決内容は、ラーメン店勤務の事実をもって在留資格「技能」にあたるとの判断を下し、強制退去処分を取り消した。

論点

外国人が本邦に在留して労働するには、「出入国管理法及び難民認定法」に定められた在留資格が必要である。可能な労働は限られており、「投資・経営」「法律・会計」「医療」「研究」「教育」「技術」「人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」「技能実習」という12種類のカテゴリーに分けられている。

本件はラーメン店勤務が「技能」にあたるかが問題とされた。この「技能」をもつ調理師については、省令により「料理の調理または食品の製造に関わる技能で外国において考案され我が国において特殊なものを要する業務に従事する者」としている。国はこれを根拠に、ラーメンは、味噌ラーメンなどをみればわかるように、そのメニューが日本で独自に発達したものであり、「外国において考案され」たものではないと主張した。

しかし裁判所は、「ラーメン店のメニューにはチャーハンやシューマイもあり、中華料理と無関係ではない」と主張し、ラーメン店勤務の事実は「技能」にあたるとして在留資格を認め、強制退去処分を取り消した。

雑感

おそらく省令が調理師「技能」を外国において考案されたものに限ったのは、外国人の調理師の大量流入により、日本人調理師の職場が奪われる危険を避けつつ外国産の料理を日本に呼び込むためになされたものだろう。チャーハンやシューマイといった大衆食程度で外国人調理師の在留を許可していたら、管理法が骨抜きになってしまうのではないだろうか。

関連リンク

出入国管理法及び難民認定法

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