『大阪都構想』~今後立ちはだかる3つのハードル
2011/11/28 法務相談一般, 民法・商法, その他
概要
大阪都構想を掲げる、「大阪維新の会」に属する松井一郎氏、橋下徹氏が27日ダブル勝利をした。しかも、いずれの勝利も2位に大差をつけたものである。このことから、この構想に賛成する大阪県民、市民が多いことが推測される。
しかし、構想実現のためには、想定されるだけで3つのハードルが待ち構えている…
内容
1.想定される3つのハードル
「大阪維新の会」では、2015年の大阪都誕生を目指している。その過程で想定される、3つのハードルの具体的内容は以下の通り。
★第1のハードル=大阪府議会、大阪市議会で都への移行を決議。
【要件】大阪府議会、大阪市議会で過半数の賛成が必要。
★第2のハードル=政府や議員提案により、国会で地方自治法を改正。
【要件】衆参両院で過半数の賛成が必要。
※地方自治法には、都への以降に関する規定がないため、法改正が必要となる。
★第3のハードル=府市で都構想の是非を問う住民投票で賛成を得る。
【要件】住民投票で過半数の賛成が必要。
2.ハードルの高さ
第3のハードルに関しては、今回の選挙結果からすれば、大きな困難とまではいかないかもしれない。しかし、第1、第2のハードルに関しては、かなり大きな困難が伴う。
第1、第2のハードルに関しては、過半数の賛成を得るのが困難と思われる。なぜなら、大阪都構想をめぐる争いとなった、今回の選挙により、構想反対派との溝が大きくなったためだ。そんな中で、都構想について過半数を得るのは容易ではない。
特に、第2のハードルの困難さは群を抜く。まず、政府や議員提案による法改正案提出が必要となるため、府市が政府や議員に働きかける必要がある。ここで、法案提出へこぎつけるのが難しい。法案提出のためには一定数の国会議員が賛同する必要があるからだ。その上、最終的には国会議員の過半数の賛成を必要とする。この点、「大阪維新の会」の橋下徹氏は「維新で国政に出る」と27日開票後のインタビューにて発言している。
また、派生する問題点としては、地方自治法だけでなく、都市計画法など、関連法の見直しも必要となる点だ。関連法の見直しがあって初めて、実際の都構想が実現する。
雑感
大阪や名古屋に都をおくという、「都構想」はかなり以前から存在した。しかし、今回のように、本格的な実現に向けて話が進んでいくのは初めてであろう。「都構想」が日本に良い影響を与えるものであるという思いの人物は存在したとは思う。ただ、実現を目指して行動を起こす人物が現れなかったのだ。そういう人物が現れなかったのは、そもそも法改正が必要だし、難しそうだなぁ…というようなものだったのかもしれない。
考えるだけでは何も変化しない。今回の選挙から、行動力の必要性を改めて感じた。
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