不祥事を起こした企業の広報対応とは
2013/04/16 コンプライアンス, 民法・商法, その他
東京電力のホームページを見た
東京電力の2012年度の自主退職者が、2011年度の約1.5倍にあたる約710人にのぼる(時事通信)というニュースにふれて、改めて、東京電力のホームページを見てみた。
あれだけの重大事故を起こし、今も厳しい批判にさらされているだけに、広報には力を入れているようだ。ホームページ上に「お客様の声にお応えして」という項目がある。そこには東京電力によせられた、意見、要望とそれに対する対応、改善事例がまとめられているが、他の企業よりも内容を充実させているように思える。例えば、「電気代を上げるにあたって、燃料費の調達費を低く抑える努力をしているのか?」という意見には、シェールガスなどの導入、調達先、設備面の改善等、具体的な数字を挙げてこたえている。他の質問にも真摯にこたえているように思えるが、忘れてはならないことがある。それは、東京電力はきわめて重大な不祥事を起こした企業だということだ。
不祥事を起こした企業の広報対応とは
ひとたび不祥事が起きれば、企業の信用は失墜する。まずは不祥事を起こさないように、社内の統制等を徹底するのは当然だが、不幸にして、問題が起こってしまった場合の対応が重要となる。まず、謝罪することはもちろんだが、いつ、どこで、どのような問題が発生したのかという、「事実経過」を説明する。そして、問題の「原因」を究明して、そのうえで、どのような「再発防止策」を講じるのかを示さねばならない。それができてはじめて、信頼回復への一歩を踏み出すことが出来る。その観点からすると、2013年3月18日に福島第一原発で起きた停電事故に対する広報対応は、あまりほめられたものではなかったように思う。事故発生から3時間以上経過しての発表は、現場での現状把握に時間が掛かったということらしいが、それは置いておくとしても、問題は、あの大震災から1年以上経過しているにもかかわらず、仮設電源での運転だったことだ。これにたいして、十分な説明が出来なければ、東電の会社としての体制への疑問は増すばかりである。その後、配電の電源を二重化する等の対策を採ったらしいが、なぜそれまで、仮設のまま済ましていたのかという根本の問題にはこたえられていない。東京電力は、まだまだ非常時という認識を持って、対応せねばならない。
関連コンテンツ
新着情報
- ニュース
- 再生材の安定供給へ、政府が「循環経済」推進の政策パッケージまとめる2025.1.14
- NEW
- 政府は2024年12月27日、循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行を加速するパッケージ案...
- 解説動画
- 浅田 一樹弁護士
- 【無料】国際契約における準拠法と紛争解決条項
- 終了
- 視聴時間1時間
- 業務効率化
- クラウドリーガル公式資料ダウンロード
- NEW
- 弁護士
- 髙瀬 政徳弁護士
- オリンピア法律事務所
- 〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内一丁目17番19号 キリックス丸の内ビル5階
- セミナー
- 登島和弘 氏(新企業法務倶楽部 代表取締役…企業法務歴33年)
- 登島さんとぶっちゃけトーク!法務懇談会 ~第14回~
- NEW
- 2025/02/13
- 19:00~21:00
- 弁護士
- 目瀬 健太弁護士
- 弁護士法人かなめ
- 〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4丁目1−15 西天満内藤ビル 602号
- 解説動画
- 斎藤 誠(三井住友信託銀行株式会社 ガバナンスコンサルティング部 部長(法務管掌))
- 斉藤 航(株式会社ブイキューブ バーチャル株主総会プロダクトマーケティングマネージャー)
- 【オンライン】電子提供制度下の株主総会振返りとバーチャル株主総会の挑戦 ~インタラクティブなバーチャル株主総会とは~
- 終了
- 視聴時間1時間8分
- 業務効率化
- 鈴与の契約書管理 公式資料ダウンロード
- まとめ
- 中国:AI生成画像の著作権侵害を認めた初の判決~その概要と文化庁「考え方」との比較~2024.4.3
- 「生成AIにより他人著作物の類似物が生成された場合に著作権侵害が認められるか」。この問題に関し...