まもなく施行、改正電子帳簿保存法について
2021/12/07 税務法務, コンプライアンス, 租税法, 法改正, 税法
はじめに
来年1月1日から改正電子帳簿保存法が施行される予定です。PDFなどで受け取った電子取引データの紙保存が禁止となります。今回は国税関係書類の電子化を規定する電子帳簿保存法とその改正について見ていきます。
電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法は平成10年に成立した法律で、本来各税法で原則紙での保存が義務付けられている帳簿書類等について、一定の要件を満たした上で電子データによる保存を可能とし、また電子的に授受した取引情報の保存を義務付けております。この法律では書類の保存は大きく3つに分類されており、(1)電子帳簿等保存、(2)スキャナ保存、(3)電子取引に分けられます。電子帳簿等保存は、取引先などから受け取った書類を会計ソフトなどを使用して電子化し、データとして保存するというものです。スキャナ保存は郵送などで紙で受け取った書類をスキャンや撮影などによって取り込みデータとして保存します。そして電子取引はPDFなどの電子データで送られてきた書類をそのままデータとして保存するというものです。以下これらの改正点について概観します。
電子帳簿等保存に関する改正点
国税庁の資料によりますと、電子帳簿等保存についてはこれまで事前に税務署長の承認が必要とされておりましたが、事業者の負担軽減のため事前承認が不要とされます。またいわゆる青色申告法人に保存が義務付けられる総勘定元帳、仕訳帳その他の帳簿について「優良」な電子帳簿に記録されている場合、申告漏れの際の加算税が5%軽減される措置が新設されます。
スキャナ保存に関する改正点
スキャナ保存についても税務署長による事前承認が不要となります。またタイムスタンプの付与期間が3営業日以内から最長で2ヶ月+7営業日以内と大幅に伸長されます。また受領者がスキャナで読み取る際の国税関係書類への自署も不要となります。検索要件の記録事項について、取引年月日その他の日付、取引金額、取引先の3のみに緩和されます。そして適正な保存を担保するため、スキャナ保存が行われた書類に関しては隠蔽または仮装された事実があった場合、重加算税が10%荷重されることとなります。
電子取引に関する改正点
電子取引に関しては、スキャナ保存と同様にタイムスタンプに関する緩和が行われた他、基準期間の売上高が1000万円以下である事業者について、税務署長による質問検査権に基づく電磁的記録のダウンロードの求めに応じることができるようにしている場合には検索要件の全てが不要となります。また電磁的記録の出力書面の保存をもって電磁的記録の保存に代えることができるとする措置が撤廃されます。紙による保存ができなくなるということです。そして電子取引の電磁的記録についても隠蔽、仮装があった場合には重加算税が10%荷重されるとされます。
コメント
平成10年に制定された電子帳簿保存法は本来紙で保存することが義務付けられていた税務関係書類の電子化を可能とするというものでした。しかし一般に認知度が低く、また要件も複雑で特に中小企業には利用しにくい制度と言われてきました。そこで上記のように今回の改正で抜本的な改革がなされたとされます。しかしPDFなどで送られてきた請求書などを印刷して紙で保存することができなくなるなどの注意点もあり、問題がある場合には重加算税が加重されたり、場合によっては青色申告が取り消されるといったリスクも指摘されております。根本的な制度趣旨や、どのような対応が必要なのか等について、早い段階で国税庁や専門家に相談するなど対策を講じておくことが重要と言えるでしょう。
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